動摩擦係数

生きています

爽やかな曇り

青空が憎い。こっちは地べたで汚らしく生きているというのに、晴天の青空は何よりも美しく、純粋で、透き通っている。あれが理想で、現実の自分はこのザマだ。青天を見ると地上に住む自分の汚さを味わう羽目になる。当てつけだ。

だから曇りには親近感を覚える。かといって、どんよりとした曇りが好きなわけではない。雲で少し汚れているくらいの青空がいい。眩しいと思ったら雲影に隠れれば良いし、暗くて陰鬱な気分になったら日に当たれば良い。

自分の中に常にある一定の暗がりと明るみ。それらが共存している状態でしか、僕は存在できない。